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感想『信長協奏曲』ドラマと原作の違いについて

小栗旬主演の月9ドラマ『信長協奏曲』で漫画と違う部分で、個人的に気になった部分とその感想をまとめました。

サブローの性格について

平成の高校生サブローが自分の容姿と瓜二つな織田信長と出会い、織田信長が病弱なことから、自分の代わりに信長として生きて欲しいと頼まれたことから物語は始まる。

最初は戸惑いながらも、大胆な行動力と発想力で織田信長としての地位を築いていくのだが、ドラマもその部分は忠実に再現している。

個人的に原作とドラマで違うと感じたのは、小栗旬演じるサブローの方が原作より感情を表に出すタイプで原作では割と人の対してドライな部分があるということだ。

一番その違いが顕著に現れたのは、比叡山延暦寺攻めの時だと感じた。

原作では、サブローは比叡山延暦寺の焼き払いに対し、明智光秀(信長)と話し合い、自分の意思で決めた。

信長協奏曲

石井あゆみ 信長協奏曲より 

 

一方ドラマでは、延暦寺攻めは光秀の独断で行われており、最後まで否定的だったサブローとの関係に大きな亀裂が入った。

また、ドラマでは「誰も死なせたくない」という信念のものと天下を目指すのだが、原作のサブローは「戦国時代だから仕方ない」といった発言をしていることからも大きな性格の違いがある。

恒興の違い

これは視聴率を意識する上で仕方のないことだと思うが、ドラマでは池田恒興の役は向井理が演じている。しかし、原作の恒興は男前とは言いがたい。また、信長の妹である「お市」(ドラマでは水原希子)と恒興の関係性が描かれているが、原作では特にそういった描写がないことも原作とドラマの違いのひとつ。

信長協奏曲

石井あゆみ 信長協奏曲より 

帰蝶の違い

サブロー(信長)の妻であり、斉藤道三(ドラマでは西田敏行)の帰蝶も大きな性格違いがあり、これは賛否両論で原作では、おっとりとした性格でサブローに対しての愛情をストレートに表現するタイプだが、ドラマでは、柴咲コウがその役を演じたが、どちらかといえばサブローを尻に敷くタイプで強気な性格(ツンデレ?)に変更されている(まずサブローのことをうつけなどとは呼ばない)。性格を変更した理由はわからないが、どちらの帰蝶にも魅力があり、ドラマ版のサブローの性格を考えればドラマの帰蝶は正解だと思った。

信長協奏曲

石井あゆみ 信長協奏曲より 

光秀(信長)の違い

信長と入れ替わったのち、明智光秀となりサブローの側近として現れる本物の信長だが、彼のキャラクターも原作とドラマでは違いがある。

原作ではサブローに対し、すごく信頼も感じられるし、自分は影としてサブローを支えていくという覚悟も感じられる。

対してドラマでは、残虐な一面をのぞかせる部分もあるし、上記の延暦寺焼き討ちの件、さらに最終回での竹中半兵衛を殺害した場面でもその性格の違いを感じた。

ただ、これに関しては原作がまだ未完結でドラマのシナリオが原作を追い抜いてしまっているし(単行本時点では)、帰蝶やお市と接するサブローを羨むような描写もあるので、これから原作で彼にどういった変化があるのか見逃せない。

信長協奏曲

石井あゆみ 信長協奏曲より 

まとめ

やっぱり原作ファンとしては、少しでも原作と違う部分があると違和感を感じてしまうのはある程度仕方のないことだし、どうせ実写化するならなるべく忠実に再現してほしいという意見はもっとも。しかし、1話60分という時間の制約であったり、実際に人が演じるドラマでは削らなければいけない部分、変更しなければいけないのは避けられないことで、今回のドラマ『信長協奏曲』に関しては、凄くうまく実写映像化としてまとまっていた。

例えば山田孝之が演じる秀吉は原作より凄みがあり魅力的なキャラクターになっていると思うし、濱田岳の家康は原作から飛び出たかと思うくらいハマり役だった。

ドラマを観て原作を新しく読む人もいるし、原作ファンがドラマを観て役者のファンになる人もいる。そういうお互いのプラスの効果が期待できるこの作品は原作もドラマも素晴らしく傑作といえる出来だった。