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ミクスチャーブログ

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PS4『ドラゴンクエストヒーローズ』感想とレビュー

『ドラゴンクエストヒーローズ』をひと通りやってみての感想とレビューを書きます。


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まず、amazonのレビューなんかを見てみても、このゲームの悪い評価をつけている人は「戦略性がない」「ワンパターン」というのが多いがこれは認識が甘い。
元々ドラクエはワンパターンだ。「ドラゴンクエスト」っていうゲームはレベルを上げまくって、そのとき手に入る一番強い装備の装備を揃え殴る。そして「スクルト」場合によっては「フバーハ」「マジックバリア」、「ベホマラー」または「ハッスルダンス」、そして「バイキルト」これらを繰り返して殴る。基本的にはこれだけのゲームだと思ってる。だから「戦略性がない」「ワンパターン」っていう批判はお門違いで、だから高度な戦略とか、多彩なパターンのバトルとかを期待してるなら多分拍子抜けだと思う。そんなものはないから。レベル上げて呪文で強化して強い技で殴る、死にそうになったら回復。そもそも本家がそれだけの単純明快なゲームなのだから外伝で高度なバトルなんてできるはずがない。そのことをふまえてプレイするとすごく面白くて、よくできたゲームでした。

 

ただまあ、たしかに護衛のイベントは単純にめんどくさい。自分の拠点を守りつつ、複数ある魔界の扉(モンスターが無限に出てくる穴)を塞ぎに行かなければ ならないのだけど、拠点を放り出して魔界の扉を潰しに行くと逆側からモンスターが来てしまう、これが嫌で飽きた人も少なからずいると思う。そのための救済措置として「モンスターコイン」っていう一時的にモンスターを仲間にして戦闘に参加させるシステムがあるのだと思うけど、このシステムを楽しんで やってる人はいるのだろうか。基本的に動きがトロすぎるし、いちいち把握するのが面倒くさい。制作側が大変なのはわかるが、モンスターを仲間にできるというふれこみで少しでも宣伝したのなら自分で動かせるようにして欲しかった。

あと、ジャンルがアクションRPGになってるからといって「聖剣伝説」とか「キングダムハーツ」みたいなものだと思うとしっぺ返しを食らう。まず、飛行船兼街みたいなことろが基本拠点で買い物やセーブ、仲間の入れ替えなどの基本的な準備は全部そこで済ませる。そして準備ができたら次のイベントに行く、というような繰り返しで、従来のドラクエのように新しい街や城を徘徊して話を聞いたり、ダンジョンを探索したりといったことはない。だからより作業感が増してしまうのかと思うけど、ただ「戦闘を楽しむ」という点に特化するためにこういう仕様にしたのなら納得できる。

 

最初に書いたように基本的にワンパターンなので「ハッスルダンス」を使えるゼシカ、「バイキルト」が使えるフローラが加入したらだいぶ難易度が落ちると感じた。と思ってたけど、確かにザコモンスターは楽だけど、ヘルバトラー戦とか地獄だったので撤回。ボス戦は気が抜けず、めちゃめちゃ楽しい。

このゲームの一番良いところは、気持ち悪いくらいの映像の綺麗さも相まってモンスターの再現度が高すぎるところだと思う。上記のヘルバトラーもそうだし、まさか「ボストロール」とか「だいまじん」とかと戦えるとは思ってなかったので嬉しい誤算だった。チョイスが渋い。ボスモンスターだけじゃなく、特に気に入ったのは「おおきづち」や「ブラウニー」で木槌を振り上げながらトコトコ向かってくるので、かわいすぎてわざと攻撃をくらってあげたりしてるんだけど、痛恨の一撃がでるのでそれで何度も死にかけた。

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あとキャラクターの再現度もすごく高くて、実際こういうふうに動いて戦ってたんだなと思うと熱くなるものがある。各キャラクターの単純な使用感としては、上にも書いたように「ハッスルダンス」の「ゼシカ」、「バイキルト」の「フローラ』、あとは「兜割り」の「ヤンガス」、「はやぶさ斬り」のテリーが強いと思う。あと地味に「クリフト」の「狼牙突き」が地味に射程も範囲も使いやすくて優秀。あとは好みで「アリーナ」とかを使えばいいと思う。主人公は男の「アクト」と女の「メーア」のどっちを選んでも問題ないが、個人的には技が氷系で凍結の追加効果がある「メーア」の方がおすすめ。本当は主人公をパーティから抜いてプレイしたいのだが、それは今のところはできない。

ボス戦はどれもやりごたえあると思うけど、やっぱり最初のザコモンスターは棒立ちで歯ごたえがないと感じてしまうのも事実。「つまらない」と感じる人はここでもう挫折してしまうんだろうなと思う。ただ、ギガンテス戦が終わったころから徐々に戦闘のスピード感が増してきて、キラーパンサーが急に出てきて他のザコモンスターと一線を画す強さに驚愕したり、その後のキラーマシン3体との戦いは、テリーが仲間になることも相まって序盤の一番のピークだと思う。その後はダルい移動もルーラが使えるようになることで多少は改善されるし、足の遅さも少し大変だけど、小さなメダルを集めることで手に入る星降る腕輪のレシピを手に入れることで改善される。

 

あとマルチプレイ未対応にしたのは本来のドラクエが帰ってきたようで個人的には嬉しかった。

「私ね、あれはすごく怒ってるの。ゲームはひとりで楽しんでやるものなの。 それなのに、インターネットで不特定多数の人と繋がるだなんて嫌。ひとりになるために、ゲームするんですもの。ひとりに限るわよ。」

以前、女優の淡路恵子さんが「ドラクエ10」に対してこう言及していた。これにはすごく賛同で、他のゲームはともかく、特にドラクエに限っては一人でチマチマやるのが醍醐味なので今回の「ドラクエヒーローズ」で他人が介入する余地をなくしたのは良かったと思う。


そして最後に一番の不満だったキャラクターの声の問題は完全に音声オフにすることができたので一安心。声入のほうが良いという人は声をガンガン聞きながらやればいいし、自分みたいにドラクエに声はいらないと感じる人は消せばいい。これは嬉しい仕様だった。

※メニュー開いてさくせん→設定→ボリューム設定でボイスの音量が変えられる

 

あと、固定だと思ってた主人公の名前も自由に変えられるので、自分の名前でも、好きなアイドルの名前でも、「ああああ」でも「ボロンゴ」でも「ゲレゲレ」でも「トンヌラ」でも好きな名前にできる。

色々甘い部分はあるけど、ドラクエ好きなら買って損のないゲームです。