kansou

ミクスチャーブログ

広告

スポーツ漫画の違和感

よく好きでスポーツ漫画を読むんだけど、いろんなスポーツを題材にした漫画があってそれらに共通して感じる違和感がいくつかある。

まず「地区予選なのに実況がいる」ってこと。これはほとんどのスポーツ漫画でみられる光景で、普通は地区予選から実況がいるなんてことはありえない。にもかかわらずなぜかアナウンサーが丁寧に試合の実況をしている場合が多い。いやいやこんな試合に実況つくわきゃねえだろ、とツッコミながら読んでしまう。この問題のアンチテーゼなのかたまに「実況好きの放送部」が勝手に実況するというようなシーンやたまたま試合を見に来ていた強豪校のライバルが丁寧に実況解説しながら試合を観戦するシーンがよくある。全国大会などでライバルが増えると、遠くで観ている別のライバルたちがシンクロしてそれぞれ解説するパターンになる。例「ほなアホな!あんなところから打つなんてアホやで」「無茶だ、高橋はストレートボールのシュートには滅法強い」「俺でさえ奴の瞬発力には手を焼いたぜ」(全部言ってるやつ別)

実況がいるということと関係してくるが「地区予選なのに観客入りすぎ」ということも読んでいてモヤモヤする。他府県のことはわからないが個人的な話で言えばサッカーをしていて地区予選の試合でほぼ満員になるほど観客がいるなんてことはまずない。というか試合はどこかの学校のグラウンドで行うので、球場で試合をするということがほぼない。

実況がいるということの弊害で「技名がバレている」ということもでてくる。初出しの技のはずなのにその技を使った次の瞬間には技の名前が実況や観戦している人たちにバレている。事前に「この技使いますから、使ったらこういう技名で実況してくださいね」とお願いしているのだろうか。ひどいケースだと実況側が勝手に技名を命名してそれがいつのまにか浸透しているということもある。(アイシールド21なんかはこのパターンが多かった気がする)

でもそんなん言ったら、試合描写もほぼ無言だし、オリジナルの技なんかないし、試合中の心理描写も0コンマ何秒のやりとりの中で「ここで無理にタックルに行ったらかわされてフリーになる、逆サイドにも加納が走りこんできている、ここは...」みたいな心の声も無理がある。(実際は「右!」「逆か!」みたいなことしか思えないのであまりにも味気ない)心理描写だけでなく「キャプテン翼」でよくあるような「ボールはゴールマウスを外れ...ああーっと曲がったぁ!大きく弧を描いてゴールマウスに突き刺さったぁ!!」みたいな実況は絶対できない。実際こんな実況できるなら曲る曲がらないの前に「シュート遅っ!」って思う。そういう意味だと「スラムダンク」の最終巻はほとんど無音だった記憶が。

 

ある程度のリアリティを描くためにはリアリティから最も遠いものを描かなければ、つまらないものになってしまうよな、と「シュート!」を読みながら思った。

 

シュート!(1)

シュート!(1)

 

 

関連記事